八葉よ永遠に・3


西暦1000年。
京は鬼の怨霊攻撃により滅亡の危機に瀕していた。

怨霊を封じる力を持つ神子はアクラムに捕らえられ、
迫力彗星に閉じ込められている。

鬼の首領アクラムの目的は、神子もろとも迫力彗星を京に墜とすことだ。

人々の期待を背に、神子と京を救うべく宇宙戦艦ヤハトで飛び立った八葉は、
セフルやシリンの率いる艦隊との戦いに勝利し、迫力彗星へと近づいていく。

しかし絶体絶命の危機が待ち受けていた。
赤い迫力彗星が通常の三倍の速さでヤハトに向かってきたのだ。
もはや衝突は必至!!




「とにかく急旋回だ!!」
「間に合わない!!」

「む、これは……?」

「波○砲で迫力彗星を粉砕……なんて、できるわけねぇ」
「当然だ! あそこには神子殿が」

「打つ手はないの? なんて言ってる場合じゃないよね」
「わっ!! もう目の前じゃねえか!」
「わわわわわわ!!!!!!」



どっか〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!!











完












そんな〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!

八葉の叫びが宇宙空間に虚しくこだました。











しかし…………










  おお はちようよ  

  ばっどえんど とは なさけない  


          CV:りゅうじんさま




「ばっどえんどとは何だ、天真?
神子殿を救うこともできず迫力彗星とぶつかった我々は
確かに情けないが……」

「がっかりするなよ、頼久。
まだ俺達にはチャンスがありそうだぜ。
な、詩紋?」
「はい!
あのセリフの続きが予想通りなら、
きっとうまくいきます」




  もういちど やりなおすことを のぞむか  


              CV:りゅうじんさま




「よしっ! やっぱりな!」
「ホントか!? そんなことできるのかよ!?」
「イノリの疑問はもっともです。
声の主も分からない今、
簡単に信じるのは危険ではないでしょうか」
「あの…鷹通殿。
私には、あの声はとても神々しく感じられるのですが……」




  はい または いえす で こたえよ


            CV:りゅうじんさま 




「それ、選択肢じゃねえだろ!
ふざけてんのか、こっちは真剣なんだ!!」
「落ち着いて、天真先輩!
はいとイエスなら、どっちでも助けてくれるってことだし、
とにかくここは早く答えた方が……」

「つまり、どちらを選んでも同じということかな?
では、珍しい言葉の『いえす』というのを選んでみようか」
「と、友雅殿! 意味も分からず答えるとは!」




  なんじらの ねがいを かなえよう 

            CV:りゅうじんさま 




「相手が物わかりのいい御仁で助かったね」
「やったぜ!」




  では ふっかつの じゅもんを となえよ  

            CV:りゅうじんさま 




「……………………」
「……………………」
「あれ? 天真も詩紋も急に黙ってどうしたんだよ」

「くそっ! 復活の呪文なんて古いもの、知るかよ!」
「あ、そうだ! ええと、お母さんがファ○コ○に掃除機をぶつけて…それで……」
「お、おう、詩紋が言う通りだぜ! 復活の呪文は消えちまったんだ!
よくないことだが、よくあることで……」

「虚言は止めておけ、天真、詩紋。
声の主よ、聞け!
ふっかつのじゅもんとは、これか?
――
すでのもる あがれいい もおなつ べくとは
めくさつ いいだも かるはも えくらど
いさなん めごでた ねいるふ なんこ
――」




  ふっかつの じゅもんは ただしい  

  やりなおしを ゆるそう

            CV:りゅうじんさま 




「すごいぜ! さすが陰陽師だな、泰明」
「泰明殿、お見事です。これで神子殿を助けることができます」
「そんなヘンテコな呪文も唱えちまうなんて、見直したぜ」
「そういえば、いつもの呪とは違う響きでしたね」
「泰明さん、いつその呪文を覚えたんですか?」

「迫力彗星と衝突する直前、私の前に呪を書いた紙が現れた。
不思議な文字列だったが、一度見たものは忘れない」
「ぎりぎりで間に合ったということだね」
「泰明殿、ありがとうございました」

「いや永泉、礼は早すぎる!
詩紋、イヤな予感がするんだが……」
「はい……ボクもです。
もしもやり直しできるのが、呪文が現れた時点からだったら……」

「………また迫力彗星と衝突するってことか?」


えええ〜〜〜〜〜〜っ!?!?!?

八葉の叫びが宇宙空間に虚しくこだました。




続く




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2015.04.01


八葉のピンチは今年も続きます。
………ごめんね。