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最後の大切な一日。どこを訪れようか、かなり迷いました。
船岡山・随心院か、東の神楽岡・大豊神社・大文字山(滝宮神社)か。
後者の辺りのバス便は頻繁とは言い難く、
さらに、昨日以上に人のいない場所のよう。
けれど、平安神宮近くにまとまっているので、
効率的ではあります。
結果、飛び地のように離れた場所には、
再度の訪問が叶った時に行きづらいのではと判断し、
ご覧のルートとなりました。
天の青龍好きとしては、ちょっぴり淋しいですが(苦笑)。
船岡山を通るバスの系統は大変多く、待つこともなくすぐに乗れました。
交通量の多い北大路通り沿いに、船岡山公園入口の看板があります。
少し急な坂を上がると、大通りの騒音がどんどん遠ざかります。
周りに木が茂っているので、歩きながら眺望を楽しむことはできませんが、
ところどころ、木の途切れているところにはベンチなどがおいてあります。
元気な声が響いてきたので見ると、窪地のようになった公園で
少年野球の子供たちが練習中。
朝からじりじり照りつけているお日様より、野球に燃える心の方が、もっと熱いのね。
指導しているおじさん(←監督とお呼びっ)がバットスイングを教えながら、
「ヒットじゃあかん!ホームランや!!」と大きな声。
一斉にブンッッ!!と思いっきりバットを振る子供たち。
熱い・・・すごく熱い!!がんばれ〜
頂上には、三等三角点・船岡山という看板がありました。
そこには、三角点を大切に・・・という趣旨のことが書かれていましたが、
壊す人とかいるのでしょうか。
三角点にも等級があることを初めて知りました。
ここで、とっても困ったことが。
カメラの調子が悪くなってしまったのです。
使い切りカメラを買うしかないのかしら・・・と思いつつ、
この後はドキドキしながらの写真撮影となりました。
結局必要な分は写せたので、ほっとしましたが。
木に阻まれて、下半分は見えませんが、
船岡山からは、京都の街が遠くまで見渡せます。
でも、映画「舞一夜」で頼久が案内したのはここではありませんよね。
入り日に向かって京の街が広がっていましたから、位置的に船岡山ではありえない。
頼久ですし、東の大文字山あたりでしょうか。
特定の場所を想定しているわけではないのかもしれませんが、
あれだけ作り込まれた絵の世界なので、
思わずあれこれ想像してみたくなります。
次に向かったのが京都御苑。
藤姫の館、土御門があったらしい場所です。
賑わう河原町通りのバス停から、西に200メートルほど、
御苑の東端に接する道は、車もほとんど通らない、静かな細道でした。
北東の石薬師御門から入ってすぐの辺りが、土御門のお屋敷と推定されます。
写真では、木ばかりですけど・・・。
とにかく、京都御苑は広かった・・・です。
見渡す限りに敷地が広がり、高い建物で視界が遮られないので
まるで青い天蓋にすっぽり覆われたよう。
太陽が高くなってきて、今日も気合いの入った暑さを実感します。
日陰の涼しさを求めて、というより、敷き詰められた石の照り返しがまぶしくて、
木立の中の道を選んで通りました。
延々歩き続けて、やっと南端に辿りつき、富小路口から退出。
随心院のある小野駅に行く、地下鉄東西線の最寄り駅は、ここからだと京都市役所前。
とりあえず南に向かって寺町通りを歩き始めましたが
この道を選んだのは大正解!でした。
下御霊神社があり、そして行願寺(革堂)がありました。
下御霊神社は、御所の北にある上御霊神社と対になる神社で、
祀られているのは早良親王をはじめとする、怨みをのんで亡くなった位の高い方々。
すなわちLvの高い怨霊。
心の準備ができていないので、お参りするのは遠慮しました。
かなりのこわがりです、真宮は。
革堂には、泰明の術「太上鎮宅霊符」を祀る鎮宅霊符社が。
こういうお寺がある、ということは「遙か」ガイドで知ってはいましたが、
お参りの予定は立てていませんでした。
というか、場所さえ分かっていなかったというのが本当のところ。
それが、移動の道筋に立ち寄れるとは!
んふんふんふっ・・・、とこみ上げる笑いを抑えつつ参拝。
地下鉄の駅でうろうろ、下車した小野駅の周りでうろうろ・・・
もはや逐一書くのもあほらしい。
ただ、山に向かって坂を上りながら、随心院の表門に気づかず
先まで行き過ぎてしまったことが、今回はラッキーな方に。
昨日もこんなことがあったような・・・と
随心院の駐車場前で立ち尽くしていると、
文塚への道を示す矢印が、院とは反対の方に向かっているのを発見。
文塚が奥にあるとは知っていましたが、敷地の外とは考えてもいませんでした。
塀に沿った細道。
←という力強い後ろ盾がなければ、この奥に何かあるなんて思わないです。
道から木立の中を上ってすぐ、文塚がひっそりと建っています。
小野小町に宛てた男達の恋文が埋められている、とも言われていますが、
友雅さんも、負けないくらい女性達から文を送られているのでは。
写真の形が微妙ですが、すぐ後ろの住宅が写ってしまったので、
あわててトリミングしたせいです(大汗)。
随心院の敷地は広く、塀に囲まれて本堂や庫裡などのお寺の建物があり、
その外側に、はねずの梅や文塚、小町化粧井戸などがあります。
お寺の中は拝観せず、周囲を一巡りして駅に戻りました。
写真は薬医門。
真後ろの高塚山(?)の懐に抱かれたような配置は、
建てる時にすでに計算していたのでは、と想像してしまうほど美しいです。
小野駅からは、少し電車で遠回りして戻りました。
来た方向に戻らず、終点の六地蔵駅まで行き、
そこでJR奈良線に乗り換えて東寺駅まで。
次に行く吉祥院天満宮は、位置的には東寺の南西。
直行するバス便がとても少ないので、近くまで行って歩く方が早そうです。
初日に羅城門を訪れた時、少し足を延ばしておけばよかったかもしれません。
そして、実際に西大路九条から歩いてみた感じでは、それは十分可能だったかと。
鳥辺野で迷神子になっていなかったら、元気よく歩いていたかもしれません。
午後2時半、暑い盛りに、古都の佇まいとは無縁な
大型スーパーのある広い道を、少し急いで歩きました。
暑さ慣れしてしまって、苦痛には感じません。むしろ快感(←変態)。
それより、またまた素通りしたり、駐車場に到着したりしないか、
そちらの方を気にしながら歩く、本末転倒ぶり(苦笑)。
昨日の長岡天満宮、今日の北野天満宮に続いて、
3カ所の天神様にお参りすることになります。
御利益・・・ありますように・・・。
と勇んで行った吉祥院天満宮は、とてもささやかなところでした。
天満宮の名を冠した、お店の大きな看板がなければ、
またもや曲がり角を素通りしていたかもしれません。
小さな橋を渡った先に、小さな鳥居。
写真でご覧の通り、周囲から区切られた神域というより、
生活風景の中の神社、という雰囲気です。
最後に訪れたのは渉成園。
河原院のモデルとなった場所です。
河原院址の碑は、冬に行った五条橋のたもとにありますが、
ここもまた、河原院の遺跡と伝えられています。
五条橋からこの辺りまでって、すっごく広い・・・。
御苑の広さを考えると、それもあるのかな、とは思えますが
典型的な庶民の想像力には、限界が・・・。
拝観の受付では居住県と名前の記帳を求められました。
拝観料は不要・・・ただ、強制ではないけれど庭園の維持管理に協力を、
ということで、気持ちだけ寄進しました。
そんなこんなで(?)多少微妙な気持ちも残りましたが、
庭に入るなり、そんな気持ちは消え失せました。
歩く人の気持ちを、心憎いばかりに読み尽くしたような庭園だと思います。
受付から、狭い建物沿いの道を行くと、その建物の玄関前に出ます。
板塀に囲まれ、閉ざされたようなその一画に、小さな潜り戸があり、
そこを抜けると、いきなり開ける緑の原と広々とした池。
その変化の鮮やかさに、素直に感激しました。
ちょうど夏の盛りでしたので、庭園は緑、でしたが、
そこここに、桜、花菖蒲、紅葉などが配され、四季折々の眺めが
演出されているようです。
小道は池に沿って続き、庭園の奥、行き止まりのように立ち塞がる木の間に入っていきます。
今までの開放的な空間とは対照的に、そこは木に囲まれた迷路のよう。
微妙にカーブして、行く先の見えない小道が突然途切れると、
今度は眼前に、池を囲んで、どこかで見たような建物が。
心をつかむこの配置、すごいです。
あまりないようなシチュエーションかとは思いますが、
京都に来た。のんびり観光している時間はない。
でも、少しは京都らしい所でゆっくりしたい。
という時に、ここはお勧めです。
京都駅から徒歩約10分、というのもポイント。
入り口が西側の通りにあること、受付時間が3:30までと
撤収が早いことだけ押さえておけば十分でしょう。
最後は友雅特集?のような場所ばかりでしたが、
今回の旅はこれにて終了。
参考にしたガイドが「遙か・1」のために作られたものなので
(実際、データは2001年のもの)初心に帰る場所が多かったような気がします。
「舞一夜」のためのウォーミング・アップということで(笑)。
帰りの指定券は、自動券売機であっさり入手できました。
来る時と違って、3人がけの席を独り占め。
ガラガラの静かな車内には、ワゴンが何度も行ったり来たり。
帰りの新幹線がゆったりとしていたのは本当にうれしいことでした。
暮れていく外の景色を眺めながら、気持ちを静かに切り替えることができました。
帰ってからも、サイトの更新があると思うと、冬に来た時ほど落ち込みません。
まして、あれやこれやとアイデアをひねっているのが
「秋ハ原にて」となれば、なおさらのこと(笑)。
東京駅に降り立ち、意外と元気な自分に驚きました。
教訓
夏は、しみじみした妄想には不向きである。
[おまけ]
(暑さ対策とかバス情報とか、しょもないこと書いてます)
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