果て遠き道

リズヴァーンの物語に寄せる前書き


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※ 後書きに感想アンケートが置いてあります。ご記入いただけると嬉しいです。※



「遙かなる時空の中で」の全シリーズ作品を通して、地の玄武は誰もがとても孤独な存在です。
シリーズとして、各八葉にそれぞれの共通設定があるのだから、と言ってしまえば、
はいその通りです、ということではあるのですが、まあ、それを言っちゃあお終いですから(笑)。
地玄武の皆様のその孤独な在り様が、もうそれだけで切なくてやるせなくてたまりません。
それに、あの声だし・・・げほげほっ。
・・・まさにツボの中のツボのど真ん中を、卑怯なまでのピンポイント攻撃です。

語り始めるときりがないので、ここは先生限定で(笑)。
リズヴァーンは、世界から二重に切り離された存在です。
一つには、自分の本来在るべきだった「時間」から切り離されたために。
もう一つは、「鬼」という忌み嫌われるマイノリティーの一族であるために。
「遙か3」では前者、「十六夜記」では後者にスポットを当ててストーリーが作られています。
これら、リズの物語はプレイしていて本当に辛くて悲しくて・・・。
独りぼっちで過ごした長い歳月を思うと、「しくり」・・・程度の痛みじゃないんです!!

だから先生には絶対に幸せになってほしい!!
ということで書いたのが、この物語です。

ゲームではもちろん、幸せなエンディングがありました。
リズを想い続けた神子は、リズと二人の幸福を勝ち取りました。
でも・・・
私にとって、あの形では、リズの物語は終わらないのです。(←頑固者)

今まで孤独に修羅の道を歩いてきたからこそ、ゲーム本編のエンディングのように、
全ての悲しい思い出を脱ぎ捨てて、真っさらな世界=現代で新しい日々を穏やかに生きる・・・、
というのは、たぶん正しいのでしょう。

けれど、リズにはもう時空を渡らせたくない・・・です。
望美を救うために、繰り返し時空を巡ったリズだからこそ、
自分の在るべき世界から遠く離れるのは、一度きりで十分です。
拒まれ続けた世界でこそ、リズには幸福になってほしい!と思うのです。
(でも、決してゲームのエンディングが嫌というのではないのですよ)

なので物語は「無印遙か3」リズヴァーン・エンディング後、京に残る、という設定で始まります。

なお、「はじめに」の部屋にも書きましたが、文中でのゲーム本編内の描写部分は
セリフ等意図して変えています(まんま使うわけにはいきませんから)。
ですので、「違う!!」とか言ってツッコむのは勘弁して下さい。

また「遙か」3だけではなく、1,2のネタバレ要素も若干含みますので、未プレイの方はご注意下さい。



各章あらすじ(ご参考までに・・・)

・・・序章 初雪・・・

鞍馬山の庵で一緒に暮らし始めたリズと望美。
しかし、互いに想い合うがゆえ、些細な行き違いが二人の心に影を落とす。
そのような中、雪に覆われた庵に忍び寄るのは・・・?
安倍泰継も回想シーンに。

・・・第1章 流離・・・

白龍の逆鱗の力で過去に飛ばされた、幼い日のリズの苦闘。
その話に涙する望美にリズは・・・。
そして、鬼を憎む人々に追われ、絶体絶命の危機に陥ったリズを救ったのは?
「遙か」1,2でお馴染みのキャラも登場。

・・・第2章 遠雷・・・

京の景時邸に身を寄せたリズと望美。
朔、景時、弁慶との再会の喜びの裏で、大きな陰謀が動き始めていた。
姿を消していく八葉の仲間達。
再び剣を取り、闘うことを決意する望美とリズに降りかかる試練。
共に生きることを誓い合った二人の・・・明日はどっちだ!

・・・第3章 暗鬼・・・

譲救出! 力強い仲間達の協力により、作戦は成功したかにみえたが・・・。
度重なる怨霊の出現に、京の五行の均衡は、再び崩れようとしていた。
望美を追って鳥辺野の地に踏み入ったリズは、己の過去と対峙する。
逃れようのない、鬼であるという宿命。
雪に覆われた京の街に、滅びの時が静かに迫っていた。

・・・間章 散桜・・・

舞台は過去に遡る。
白龍の逆鱗の見せた現の夢、
朧な霧の先の未来を信じ、リズは独り、生きていた。
九郎の父、源義朝を救出した後、
北山で修行に励むリズに訪れた、あまりにも切ない再会の時とは・・・・。

・・・第4章 炎呪・・・

過去の呪縛に翻弄される者達。
内なる力は、滅びへの道か。
討ち手に囲まれた望美とリズを救うべく、馬を駆る者は?
譲にかけられた呪が発動。
窮地に陥った望美は、思いがけぬ行動に出る。
京に眠る記憶が呼び覚まされる時、
地に満ちた嘆きが終焉の時を告げる。

・・・第5章 闇来・・・

解き明かされていく謎。
孤独な戦いの中で、望美は自らの運命を選び、
その先に待つものを知るリズに、泰継の苦悩が重なる。
破滅を願う心を贄として、滅びの使者は地の底より目覚めた。
消えゆく者、惑う者、願う者・・・、
様々な思いが交錯する中、最後の闘いへと、時が動く。
* この章から読むと、著しいネタバレとなります。

・・・第6章 懐光・・・

滅びの渦の中で、それぞれが選び取る道。
傷ついていく仲間、多くの人々。
怒りと悲しみ、絶望の暗闇に射し込む一条の救いへの光。
望美の願いが天に届く時、地には静かな祈りが満ちる。
悔恨の中、秘やかに訪れた別れは、修羅の道との決別か。
時空は重なり合い、数多の想いを抱き留める。

・・・終章 春陽・・・

数多の傷を残し、闘いは終わった。
縁によって再び相まみえた者達にも、別れの時が訪れる。
分かたれた先にも道は続き、
人はそれぞれの時を生きてゆく。
北山に刻まれた昔日の孤独は、陽光の中にほどけ、
巡り巡る想いを、天へと還す。


1年半に渡り書き綴った長い物語でしたが、やっと完結しました。
最後までお読み下さった皆様、ありがとうございました。

序章・第1章・第2章の最終話に、後書きへのリンクが隠されています
怪しいところや、他のページに無いリンク先をクリックしてみて下さい
答えは
こちら

序章 初雪 
(1)鞍馬の冬  (2)いさかい  (3)昔日の冬  (4)野盗

第1章 流離
(1)遠き道の始まり  (2)地の玄武  (3)夜話  (4)捕らわれて  (5)京への雪道  (6)一条戻橋

第2章 遠雷
(1)暗雲  (2)譲の行方  (3)嵐山  (4)景時の書状  (5)刺客

第3章 暗鬼
(1)怨霊を呼ぶ者  (2)再会  (3)救出  (4)狐火
(5)代償  (6)潜む影  (7)読まれた書状  (8)鳥辺野

間章 散桜
(1)夢 (2)月明かりの下で (3)花断ち (4)名に籠めた思い

第4章 炎呪
(1)兄と弟  (2)兄と妹  (3)現世と冥界の狭間で  (4)怨嗟
(5)鬼の力  (6)馬上の男  (7)弟子  (8)孤独を知る者
(9)闇の中の対決  (10)解放

第5章 闇来
(1)屈服  (2)対峙  (3)集いと別れ  (4)それぞれの決意
(5)絆  (6)二つの剣  (7)蘇る幻  (8)長い夜の終わり

第6章 懐光
(1)苦い再会  (2)開かれた扉  (3)最後の戦い  (4)死闘
(5)神子  (6)朔の涙  (7)いとしき命に  (8)雪夜 〜 短いエピローグ
(8)雪夜 〜 短いエピローグ ←背景効果付 (IEのみ6.0〜対応  重いので、他のタスクを実行中の方はご注意下さい)

終章 春陽
(1)昔日の春  (2)別れ  (3)二人で歩く道

余話
* 本編未読の方には意味不明箇所が多いかと思われますので、ご注意下さい
 1.馬酔木の花の零れゆく 〜鎌倉にて〜
 2.雨夜の花嫁 〜伊豆にて〜
 3.汝、強き者 〜京にて〜 (本編後日談)
 4.おやすみのきす 〜倶利伽羅にて・前編〜 (本編プロローグ)
 5.我が故郷は静けき眠りにありて 〜倶利伽羅にて・後篇〜 (本編プロローグ)

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