1日目
〜車中・京都駅〜
こういう日の早起きは、勝手なもので全然つらくありません。
まだほの暗い冬の朝。吐く息は真っ白ですが、心は燃えています。
新幹線の車窓に大きく富士の山が見えてきた時、
旅に出たんだなあ、という実感がひしひしと湧いてきました。
家の近くの江戸川土手から、空気の澄んだ日にだけ遠く眺めることのできる富士山が、
今眼前に!! でも、これだけ感激するって、やっぱり富士山て、特別な山なんですね。
米原付近から外は一面の雪景色になりました。この冬の寒さを改めて実感します。
今日は鞍馬山に行く予定だけど、雪、積もってるんだろうな・・・。寒いだろうな・・・。
雪の影響で多少の遅れはあったものの、ほぼ定刻に京都着。
早速飛び出したいところだったのですが、京都駅で、しばらくうろうろするはめに。
ちょうど休日のお昼時、コインロッカーがどこも満杯で、荷物が預けられません。
結局手荷物一時預かり所へ。同じ場所に手荷物配送サービスの受付があったのに
そちらには目もくれず、荷物を預けてしまいました。
後から考えれば、これが大間違い。
つまりは選択の失敗ということで・・・あらら、☆が下がっちゃった・・・じゃなくて、
一日の終わりに後悔する羽目になってしまったのです。乞うご期待(ん?)
さて、身軽になってまず飛び込んだのが、駅の旅行案内所です。ここでいろいろと質問しました。
気になっていた鞍馬山の積雪状況ですが、鞍馬寺までは大丈夫、とのことでほっと一安心。
ただし、山門から本堂まではケーブルカーの利用を勧められました。
うっ・・・鞍馬では、義経の先生、鬼一法眼を祀ったお社への参拝は絶対に欠かせない!と
心に決めてきたのに、件のお社は本堂への山道の途中にあるのです・・・・。
でも!行ってみるしかありません!!
地図とバス路線図も貰って、次はバス案内所。ここで、予約しておいたフリーパスを受け取りました。
関西全域で使えるスグレモノのパスだけど、京都市内だけでも京福、市バス、地下鉄などなど、
ほぼオールマイティで使えるので、これは本当に便利でした。
知らない土地で路線図見るのって、とろい私には結構大変なので。
さて、あとは鞍馬へ向かうだけ! と勇んでバス乗り場へと向かったら、
駅前にずらーっと並んだバス停、バス停、またまたバス停。
鞍馬電鉄の駅まで行くバスがどこから出るのか分かりません。
路線番号は把握しているのに、どのバス停が正解なの〜???
うろうろしていたら、おじさんに声を掛けられました。
「どこまで行くの?」
「へ・・・・?」
「だから、あんた、目的地はどこなの?」
「えーと・・・・」
「どこに行きたいのかって、きいてんの」
「鞍馬・・・・ですけど」
「そうそう、そうやってさっさと言えばいいんだよ。この先の4番乗り場から・・・・云々」
「・・・・ありがとうございました」
「ボランティアで案内してんだから、分からない時はね、きけばいいの。わかった?」
「はい、すみません」
いきなり話しかけられて叱られた気分。ボランティアつっても、何の目印も付けてなかったし・・・・。
どーやって聞けばよかったのかしら?
でも、バス停が分かったから、おじさんにはThanks。
それでは今度こそ!京都妄想巡りに出発ぅ!!!
〜鞍馬・糺の森・下賀茂神社・一条戻り橋・神泉苑・晴明神社〜
鴨川近くの出町柳駅から叡山電鉄鞍馬線で鞍馬山へ向かいます。
駅のホームには可愛らしい電車が2台待っていました。
1台は鞍馬へ。そしてもう1台は、その名の通り、比叡山!!へ。
延暦寺へはできれば次回、と思っていますが、その時は滋賀県側から入るルートで
行くつもりなので、今回は比叡山はパス。
でも、次の機会には必ず行きます!!弁慶さん!!!
というわけで、九郎と弁慶が仲良く並んだ出町柳駅を発車。
小さな電車は京都の町を北に向けてコトコト走り、山へと分け入っていきます。
上り坂にさしかかると急に残雪が多くなり、並行して走る道路は日陰に入って寒々とした景色。
鞍馬山駅。
ずいぶん高く登ってきました。京都の街中とは、明らかに空気が違います。
黒々とした木造の駅舎をあとに、鞍馬寺へ。
雪はかなり残っている、というより、まだ積もっていました。
山門で一礼して入山。受付で入山料を払い、貰った地図を見ると、
鬼一法眼社はケーブル駅から近そう。もちろん、GO!!
凍った雪と、積もった雪、どちらの上を通ろうか・・・・。急な坂道をおそるおそる上ってお社へ。
でも、鬼一法眼社と思ったら違いました。
お稲荷さん。しかも、祀られているのが荼吉尼天〜?!
せ、先生、いつの間に食べられちゃったの・・・・?
なんてふざけるのはやめて、奥の鬼一法眼社へお参り。
荼吉尼天社とそっくりな、真新しい造りのお社です。
中で観光客のおじさんが長靴に滑り止めをつける作業に没頭中。
何で先生のお社で?!と少しむっとしましたが(←おいおい)
滑り止め装着ということは、山道を登る気満々と見ました。
ケーブルカーで本堂へ。下を見ると、恐いくらいの急坂。深い森。
九郎さん、こんなすんごい山奥のお寺で過ごしていたんですね。
そして先生!結界は張るわ、挙げ句の果てには留守だわって、こんな大変な所まで
よくもさんざん無駄足踏ませてくれましたね。
まったくもう、そんな先生が大好きだ〜!(←壊れてます)
暗い山道を抜けると、山頂の本堂。空の青、陽に輝く雪がまぶしい。
鮮やかな朱塗りの本堂は、積もった雪の中、陽光を浴びています。
東に目を向けると比叡山・・・・らしき山(←地図を見ても地理に疎い)。その他にも山また山。
こんな所から、仲間を引き連れて五条大橋まで行ったの?九郎さん。
若いって・・・・いいわね・・・・。ふっ(遠い目)
で、来たルートを逆にたどって再び出町柳。鴨川のほとり。
高野川と賀茂川がY字型に合流(合流すると、名が鴨川に)する間に挟まれた一画に、
糺の森、下賀茂神社があります。
連理の賢木は見つかりませんでしたが、御神木には注連縄が。
下鴨神社で呪詛を解除して、さあ次は深泥が池、上賀茂神社!!
と計画していたのですが、なんと、早くも日が西に傾いてきて、間もなく夕暮れを迎えそうな気配。
冬至の頃だものね。日は短いです。
池の周りって、暗くなってからどうなの?しかも初めて行く場所・・・・・
というわけで、ちょっと気弱になった私。
急遽予定変更で、一気に堀川通りまで西進。晴明神社、一条戻り橋と神泉苑へ行くことに。
「お師匠」を祀る神社で、旅の無事を祈念しつつ、お守りを買いました。
おみやげ第1号。さっそく身につけます。
「お師匠さま・・・・・、泰明と泰継を生んでくれて(造って・・・とは言えないです)ありがとうございます」と
ご本人が聞いたらわけわからん感謝の言葉を心から奏上。
一条戻り橋は、観光案内などで目にして覚悟はしていましたが、
いろいろな伝承とは無縁そうな、普通の橋でした。
心のかけら・・・一気に2つ・・・とか、プレイ画面を思い出しつつ見回すと階段が?
下に降りられそうだったのですが、そろそろ足がイカれてきているので止めておきます。
一日の終わりで悲しかったのが神泉苑でした。
なんですかぁ?!この狭さ!!
花断ちの稽古ができない。雨乞いの舞ができない。
もちろん戦うスペースなんかありませんし、龍神様の降臨なんて無理。
百鬼夜行の始まる鬼門の方角はしっかりチェックしましたけれど(苦笑)。
この時点で、日没のため強制終了。
三刀流の剣士さんも真っ青な方向感覚のおかげで無駄に歩き回ったため、
足はすでに暴徒化して棒と化しています。
お宿に向かおう。でも、荷物は京都駅・・・・。
フヌケとなってよろよろと駅へ。
最初の方で触れた手荷物配送サービスは、預けた手荷物を宿泊施設まで届けておいてくれるというもの。
千円でおつりがくる値段だし、時間と体力の消耗を考えるなら、使っておけばよかった、と後悔・・・。
次回は利用させて貰おう・・・。