京都旅行記


3日目

〜橋姫神社・平等院・宇治上神社・宇治橋〜

寝坊しました。
目覚ましの鳴ったのにも気づかず、爆睡。飛び起きた時にはもう7時40分。
楽しい一人旅で気力は充実しているとはいえ、
連日の強行軍と粗食と寄る年波(苦笑)で体力が低下しているのは感じていました。
なので前夜は早めに就寝したのですが、効果はなかったようです。

新幹線に乗るまで何とか体力は維持せねば!とホテルの朝食バイキングをお腹に詰め込み、
疾風のごとくチェックアウト。
食後すぐ走ったので胃が痛い〜(←しみじみおバカ・・・)。
地下鉄で京都駅へ向かいます。本日分のフリーパスは無いので切符を買わねば。
カードに慣れた身には、こんな当たり前のことすら、ちょっともどかしく感じられます。
平日の午前ということもあってか、今回はすんなりコインロッカーに荷物を預けられました。
初日にうろうろしたおかげで、京都駅のマップが頭の中にできあがっているようです。

JR奈良線で宇治へ。
この電車に乗っていけば、このまま南都へ行けるんだな、と思うと心が騒ぎます。
年に数回は神社仏閣古墳古道をめぐる奈良の旅に出かけていた・・・のは遠い昔。

気温の低い日でした。重くたれ込めた雲からは今にも白いものが・・・・と見る間に雪が降り始めました。
車窓から見る雪はロマンチックですが、帰りの足に影響が無いとは言えません。
不安がちらっと心をかすめますが、残り時間はあと僅か。
今は旅の終わりの一分一秒を楽しまなくては!!

宇治駅に着いた時には幸い雪はやんでいました。
でも、思わず身を縮めたくなるような寒さです。
車通りの激しい駅前の道を渡って、宇治茶のお店の並ぶ少し静かな通りを東へ歩きます。

手元のガイドブックには、ケシカランことに橋姫神社が載っていないので、
参拝は半ばあきらめていたのですが、ちゃんと道標が出ていました。
世界文化遺産あり、源氏物語ゆかりの地でもあり、ということで、
道標と各所の解説、案内板が充実していて、
方向音痴の私でも地図なしで歩くことができたのは、とてもありがたいことでした。

橋姫神社は、案内板がなかったら気づかずに通り過ぎていたかもしれません。
橋姫と、同じく水の神の住吉神社が並んで祀られている、ひっそりと小さな神社でした。

橋姫神社

平等院へは、目的地を同じくする人達の後をついて行って、すんなり到着。
すがすがしく広々としたお寺でした。
入ってすぐ目につくのが立派な藤棚です。
花の盛りの頃の写真はよく目にしますが、そこでは花に隠れて見えなかった幹や枝、
がっしりした造りの棚など、このようになっているのだ、と初めて知りました。
大事に丹精されていることがわかります。
あの見事な花は、それに応えるものなのでしょう。

平等院鳳凰堂

池をはさんで見る鳳凰堂は、お約束、のようなアングルですが、
横に広がった建物全部を視野におさめるには、やはりこの位置がよいようです。
いつまでも見飽きないくらい美しい形の建築物です。
けれど、近くに寄ってみると痛みの激しいこと!!
これほどの長い歳月、無事で残っているのが不思議なくらいなのですから、
なんとかこれ以上痛めずに保存できないものか?と真剣に思います。

平等院から宇治川の川辺へ出て、
橘橋、朝靄橋を渡って向こう岸の宇治上神社へ向かいます。

宇治川橘橋

ゲームのマップ上では、橘橋の位置が宇治橋跡となっていましたが・・・。
中州には宇治川の先陣争いの碑が立っていて、碑文には、
景時・磨墨コンビが大活躍!とありました(←脚色し過ぎなので、信じないように)。

 ※ 脚色し過ぎどころか、間違いです。先陣争いをしたのは梶原景時の息子、景季です。
磨墨と景の文字だけで、景時さんに直結するおっちょこちょいな目と脳みそでお恥ずかしいです。

平等院から宇治上神社へとまわる人はほとんどいないようで、
行き帰りで見かけたのは一人旅の女性一人、年配のご夫婦と若いカップルだけでした。
拝殿の前には立て砂。しん、と静まりかえった神社です。
奥の本殿と並んで、不思議な石もお祀りされていました。
とても古い時間が、流れるのを止めて息を潜めているような場所です。

宇治上神社

鳥居を出ると振り向き、思いを込めて一礼しました。

最後に訪れたのは宇治橋。
先生と出会う場所です。

ちらちらと舞い始めた風花の中、わざとゆっくり橋を渡りました。
国道が通り、乗用車やバス、トラックが行き交う橋に、静かな妄想を重ね合わせることはできませんが、
橋の下を流れる清冽な水の流れは、きっと同じなのだろうな、と。

鴨川、高野川、加茂川、下賀茂神社・上賀茂神社の境内を流れる小川。
京都をめぐり歩きながら、水の恵みに囲まれた地であることを幾度となく感じました。
龍神は水の神様。旅の最後に宇治川の流れを見ることができてよかった、と思います。

宇治橋

チリン、とベルを鳴らして自転車が追い抜いていきます。
渡りきった橋を振り返って、心の中で「ありがとう」と呟きました。

見るべき所は見ました。
もう他へまわる時間は残っていません。
感傷的になる心をひとまず凍らせ(苦笑)急ぎ足で駅へ。

〜京都駅・旅を終えて〜

京都へ戻る途中で、雪が本降りになってきました。東京へは時間までに戻らなければなりません。
新幹線がちゃんと走ってくれることを祈るのみです。

京都駅で、この3日間で初めてまともな昼食をとることにしました。
あまり食欲もないしどこにしようか、と迷っていたら、コインロッカーの近くに
「はるかラウンジ」というお店が。
今まで何度も前を通っていたのに気づかなかったとは、なんという不覚。早速飛び込みました。
はるかオリジナルティー、という名に釣られてオーダーした
熱いミルクティーがおいしかったです。

  新幹線はやや遅れて京都駅を発車。
帰ってからやらねばならない日常の有象無象が山積みです。
しばらくぼんやりと窓の外を眺めてから、一気に現実へとモードを切り替え。
遙か妄想の素敵旅は終わり、同行の皆様方は去っていきました。

次はいつ来られるのか見当もつきません。
でも、また絶対に訪れたい。
その時まで、現実世界で頑張ろう!!と新たな決意と闘志を漲らせる管理人でした。

*******************

こうして書いてみると、よくもまあ、たった2泊3日であちこち行ったものだと、今更ですがあきれます。
妄想の威力、恐るべし!!
と言いつつ、もっと効率的にまわれば、などと考えてしまうのは欲張りなのでしょうか?
煩わしいだけなので大幅に割愛しましたが、
移動の度ごとに不測の事態に遭遇していたと言ってもいいくらいなので(大汗)、
それさえ無ければ、一カ所でもっとゆっくり、あるいはあと2,3カ所は
確実に行けたのに、という心残りがあります。

賢い神子様達は苦笑されることと思いますが、もしも私の失敗が少しでも参考になるのでしたらと考え、
以下に、あーすりゃよかったのよね、と思うことを挙げてみました。
単なる後知恵というやつですが・・・。

☆まずは移動手段☆

大きな反省点は、バスの利用の仕方がまずかった、ということです。
1日目の失敗は、バスに頼らず歩き通してしまったこと。
2日目の失敗はバスに頼り過ぎて乗り継ぎで大幅な時間のロスをしてしまったこと。
今考えれば、ほんとにアホか・・・なのですが。

京都市内はバス路線が整備されていて、ルートごとに番号がつき、詳細な路線図も容易に手に入ります。
たいていの観光スポットにはバスの乗り継ぎで行かれます。
けれど、路線図上で乗り換え可能と思っても、同じバス停名でも場所が離れていたり、
乗り継ぎ便の本数が少なかったり、バスターミナルが広すぎて迷ったり(←これは私だけかも・汗)。
大通りは渋滞もしていますので、時間の読めないのがつらい所です。

タクシーは2,3回乗っただけなのですが、その範囲での感想は、「さすが観光地のプロ!」。
理由は、まず近距離でも快く応じてくれたこと。応対も運転も丁寧なこと。
観光スポットの情報に精通していること、などでした。当然といえば当然なのですが。
流している台数も多いので、利用しやすいのも利点のひとつだと思います。

文中でも触れましたが、フリーパスはお勧めです。
私の使ったものの他に、バス専用、地下鉄用、私鉄用など、いろいろなものが発行されていますので、
うまく利用すればお得、かつ時間の節約にもなるのではないでしょうか。

☆そして基本は体力です☆

歩きまわるためにも、脳みそを活性化させるためにも、
食事はちゃんと摂らねば・・・・・と今回は痛感しました。
嬉しくて楽しくて食欲などどこへやら、ハイテンションで動き回ったうえ、
蓄積している疲労にも気づかず・・・・・挙げ句の果てに寝坊なんて、もってのほか!です。はい。

これを読んで「そうよね、嬉しいと食べるどころじゃないわよね」と思われた方
(たぶん、いらっしゃらないとは思いますが)、
どうか旅に出られた時には、きちんとした食事と十分な睡眠をとって、健康的な神子様でいて下さいませ。
健全な妄想は健全な神子に宿ります・・・。

最後に、ここまで読んで下さった皆様、
おバカ神子の妄想旅行記におつきあい下さり、本当にありがとうございました。



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