定刻より少し遅れて、定期観光バスは発車しました。
せっかくの機会ですので、2階席を奮発。1階席との差額、500円強。
乗客は私を入れて8人。平日はこのようなものなのでしょうか。
こちらにとっては、混み合っているより快適です。
発車して間もなく、本日のコースを説明するガイドさんから、衝撃の発言が。
最後に行く東山展望台とは、将軍塚だった!!
上の↑タイトルに書いてしまいましたから、読んでいる神子様には
衝撃でも何でもありませんが(苦笑)。
将軍塚・・・行きたかったのです。
「舞一夜」のラストシーンですし、その前に、神子は頼久さんと二人で
登っていますよね。
また、拙サイト的にも、先々をにらんで少々準備というか・・・。
ただ、行き方などを調べていくうちに、どうにもあやしい雲行きに。
「遙か」旅を扱っているサイト様にも伺ったりした結果、
将軍塚への山道は、一人歩きには不向きだということが分かりました。
アヤしさ満々、美しさ皆無、万年金欠病者の真宮を襲うような
蛮勇の持ち主は、そうそういないと思います。
けれど、止めておいた方が・・・とまで忠告頂くような所へ行って、
「遙か」旅にイヤな思い出を残したくありません。
・・・というわけで、自力到達はあきらめたものの、未練たらたら・・・。
せめて東山の上から京の街を眺めたいと思って定観バスに乗車したのでした。
それが、大当たり!!だったとは。
心の中で踊りながらも、
観光バスのパンフに「将軍塚」の一言くらい
入れてほしいわと、
ツッコミもぼそぼそ。2階席の高い視点から、夕刻の京都の街を眺めます。
さて、最初に訪れたのは、京都文化博物館です。
入り口は高倉通りに面しています。
古くは、高倉宮のお住いだった所という、さすが京都の歴史の古さ。
ちなみに、高倉宮は、安徳帝の父君高倉院のお兄様です。
以仁王・・・という名で、ぴんと来る方が多いでしょうか。
平家打倒に立ち上がったものの、あえなく落命された方。
源氏旗挙げの機となった、いわゆる以仁王の乱の中心人物です。
定期観光バスの一行には、博物館の学芸員さんが付いて、
展示物の解説をしつつ館内を案内してくれます。
真宮達を案内してくれたのは、若い女性の学芸員さん。
説明が的確で、しかも面白い。そして何より、その言葉の端々から、
京都という街の歴史と文化、自分の勤める博物館の一員としての
誇りが感じられて、それがとても好ましいものでした。
見学したのは、2階の歴史展示室と、別館の旧日本銀行京都支店。
「遙か」好きな神子様には、歴史展示室はかなり刺激的!と思います。
時代の流れに沿った展示方法ですが、真宮の興味の中心はやはり平安時代。
時間の制約が大きく、文字通り駆け足だったのがとても残念です。
学芸員さんも、「早口で解説します」と仰るなり、舌に加速装置(笑)。
ふああ〜、もっとゆっくり見たかったです。
駆け足で撮影したので、写真もブレまくりました。
こんなんで、申し訳ありません。
以下、写真にカーソルを当てると、一言解説が出ますので、そちらもどうぞ。
平安貴族の衣装の展示、京を取り巻く地形のホログラフィ、
平安貴族の館や、平安京の模型に加え、
羅城門建設の精巧な模型や、
人形も演技!な町屋変遷の様子、などなど、
興味深い展示は数え上げればきりがなく・・・。
展示品は、単なる模型や人形というより、職人さんのこだわりが炸裂した
見応えのあるものばかり。
本物しか許さないぞ!という気迫が伝わる思いでした。
伝統のスケールが・・・違います。
安い代替物に慣らされた眼から、ウロコがぽろぽろな経験でした。
別館は、一気に明治時代へと時空跳躍。
高い天井、木の梁、足音の響く床、古い洋風建築物特有の、かすかな匂い。
母校の奏楽堂を、ちょっと思い出しました。
旧日本銀行京都支店は、今はコンサートホールとしても使われています。
銀行の金庫は今は喫茶室になっていて、美味しいお茶が頂けるそうです。
この時には残念ながら、もう閉店時間を過ぎていました。
さて、次は神泉苑でお食事です。
敷地内にある御料理屋さんで、京料理を頂きます。
真宮の京都旅史上初(笑)の、京料理賞味。
二条城前の押小路通の門は、このお店の入り口のようです。
神泉苑には、御池通に向かった南の大鳥居から入るのが正式なのかも?
ともあれ、京の最も古い聖地でのお食事・・・と、有り難い気持ちで
玄関を入るなり、中学生とおぼしき修学旅行の一団と遭遇。
あ・・・と、妄想から目覚めました(汗)。
定観バスの一行は、個室に席が設えられていました。
お料理は、パンフにあった通り、大きな丸い塗り物のお弁当箱で出されます。
京都らしく、生湯葉や生麩、デザートのわらび餅なども盛り合わされていました。
他に、あたたかい赤だしの吸い物と茶碗蒸し。
大人数をさばくためには、こうなるのでしょう。
京料理だから薄味というわけではないんですね・・・というのが、
一同共通の感想。量はかなりあります。
ささっと食事を済ませて苑内を歩き回ります。
門をくぐった時には薄明かりだったのですが、
写真でご覧の通り、この時にはきっぱりと夜。
池を挟んで、お店と反対側にある稲荷社や狂言堂などには、
足下が覚束ないので行かれませんでした。
夜目の利くリズ先生が一緒でしたら、
問題ないのでしょうけれど(笑)。
そして、いざ!将軍塚!!
バスが行くのは、東に向かう国道1号線から左折して、
東山ドライブウェイへと入っていくルート。
青蓮院からの道とは逆に、北向きに上がっていくことになります。
1号線の左側、木立の切れ間から、ライトアップした清水寺がちらっと見えます。
この国道は・・・忘れもしない昨夏、暑さに焦げそうになりながら延々と歩いた道です。
あの時に、車がなければ無理・・・と、指をくわえて横目で眺めていた将軍塚への標識を、
バスはあっけなく曲がります(←当たり前です)。
けれど、バスに乗っていても、かなりスリリングな山道でした。
道路は広くはなく、しかも九十九折り。夜のことですから、視界も狭い。
車高の高い2階建てバスは、道路に覆い被さった木々の枝を、
ズザザザァーッと、こすりながら走ります。
これがけっこう凄い音でした(汗)。
着いた先は広い駐車場。
夜の8時過ぎでしたが、20台近くの自家用車が停まっていました。
コーヒーを売るワゴン車などもあって、観光デートスポットという雰囲気。
アクラム様が京の結界を壊した時にも鳴動したという将軍塚ですが、
案内されたのは展望台。崖淵に柵が設けられています。
京都の夜景を一望。
ああ〜写真が・・・へちょい、へちょ過ぎる(滝汗)。
これでは分かりようもありませんが、近くに流れる鴨川には
始まったばかりの川床の灯りが点々と灯っています。
西の嵐山方面に連なる山も、夜空を背景に
黒々と見えていました。
陽のある内であれば、どんなにか素晴らしい景色かと。
ここに神子を案内するとは、頼久さん、グッジョブ!
青蓮院将軍塚大日堂までは、100mほどの短い距離。
この先に、本当の将軍塚が!!
ダッシュすれば行けないことはなかったのですが・・・。
道の先は暗く、集合時間も迫る中、強行するのはやめました(涙)。
いつの日か、「神子様御一行」で来ることがあれば、その時に。
京都駅に戻ってきたのは9時過ぎ。
旅先で、この時間まで戸外で活動することはほとんど経験がないのですが、
常ならばホテルでうじゃじゃけている時間帯を有効利用できたことは
なかなかによかったかと。
その分、疲れもたまりましたが(苦笑)。
これにて、京都1日目は終了。
[ご参考までに]
2007年6月現在のデータです。
最新の情報は、各ホームページでご確認を。
京都定期観光バス
「夜の京ハイライト」コース
1階席:6420円、2階席:6950円
こんなに高額で・・・いいのか自分!とさんざん自問自答しました(←ドケチ虫)。
京都歴史博物館
開館時間 10:00〜19:30
特別展の閉館時間は、もっと早いです。
そして、声を大にして訴えたいのですが、
バスの2階席は、頭上注意!!!です。
座席の上の荷物入れが、とても低い位置にあるのです。
ガイドさんから注意があったのですが、それでもあちらこちらで
ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!(痛っ)。さらにゴンッ!
おそらく、乗客全員が最低でも一人1回、頭をぶつけてます。
真宮も、クラッと来るほど強烈なヤツを、自分の頭にお見舞いしました。
安全確保ということで、もう一つ。
バスの乗降場近くには死角のような場所があり、
9時過ぎに降車した時には、お酒の入った人達がたむろしていました。
この時に限って・・・のことかもしれませんが、よい雰囲気のグループとは言い難かったです。
ともあれ、例え辺りに不審な人影がなかったとしても、
乗務員の方がいるうちに、その場を離れることを強くお勧めします。
京都旅行記・初夏
[はじめに]
(1)[法界寺・平重衡の墓]
(3)[平家本拠地・「2」の舞台・平安神宮]
(4)[神楽岡・大文字山・鳥羽殿跡・他]